構造と識別~構造推定と計量経済学に関するトピックを紹介する

踏み込んだ構造推定の日本語の文献がネットに転がっておらず、「構造推定」という響きのかっこよさに夢を抱いたりする人や、響きのうさんくささに勘違いしている人も多いので、土地勘のある自分が日本語でまとめます。気が向いたら。全ての記事はベータ版でござい。

みんな大好きdemand rotation IVの一般化をしたLau(1982)の推定手法の修正と改善


以前アクセプトされた論文の、log-linearにしただけで、理論的にも実装的にもカオスな状態になることを真面目に解析して、どうしてもこの特定化で無理やり通したい場合の推定手法を提示した論文が、某速報にアクセプトされた。

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問題自体は2022夏ぐらいに発見して、なんで先行研究がこれでやってうまくいってんねん、というところを共著者に相談して。2022/12ぐらいからモンテカルロシミュレーションなどで調べ始めて、linearはうまくいく(これは結局論文になった)けど、loglinearだと尤度がほぼ平たくなってそもそも点推定も無理そうじゃん(これは今回の話)、という話を掘り下げてみた、というかんじ。

狙っていたところでR&Rまでいったものの、「追加の均衡条件の効果小さくて、ドメイン制約の方が主要な効果はじゃね」というそりゃそうなコメントでリジェクトされて、(細かいところをまじめに解析しない構造推定論文がトップジャーナルにのるなか)まじめに検証する方が損する感じ(現在のhot issueでないことを理由にジャーナルにリジェクトもされている)で個人的には業界に対して非常にお辛い気持ちになった。
でも理論的には、完全に共著者のマンパワーで色々解析されて、もうひとつ大きめのネタが仕上がりつつあるので、そちらに期待。付随の実装小ネタもどっかに出たら学部生の宿題にしたい。