構造と識別~構造推定と計量経済学に関するトピックを紹介する

踏み込んだ構造推定の日本語の文献がネットに転がっておらず、「構造推定」という響きのかっこよさに夢を抱いたりする人や、響きのうさんくささに勘違いしている人も多いので、土地勘のある自分が日本語でまとめます。気が向いたら。全ての記事はベータ版でござい。

海運経済トップジャーナルに海運のシニアの先生との共著がアクセプトされました

「構造推定やりたい大学院生へのTips」兼「自分の備忘録」としてアクセプトされた論文のきっかけとGithub等参照の工数を記録します。

2021.1-8. 年末年始の帰国時の数週間に集中してJMP用にデータ発掘、別単著の作業があったので夏まで放置。

2021.10- データパートが共著になる。 このときはJMPとの切り分けがまだ完全ではない。
2022.3. カンファレンスに投稿するドラフト30p+appendix 10pが完成。Igami(2015JIndE)をモチーフにしてたのでIO系のジャーナルに投げるつもりだった。

2022.7.  時系列分析と市場レベルのデータの章だけをペーパーとして独立させることにし再構築。ここでJMPとの完全な切り分けがなされる。Igami(2017JPE)のアペンディクスを参考にインタビューを足すことに。

2022.10. 英文校正

2022.11. 英文校正が返ってきて投稿

2022.1. 軽めのR&R (2 positive, 1 on the fense)
2022.2. Resubmit

2022.4. 軽めの2nd R&R(2 ok, 1 on the fense)
2022.5. Accepted 

 

きっかけはJMPのデータ作成で、資料の保存してある某センターに細かいデータを問い合わせていたところ、なぜかTwitter上で返信がくる。DMでやりとり。いったんは自分の単著(JMPとは別)の話を学会(オンライン)でさせてもらうことになる。そのあとに、データ発掘含めて興味あれば共著にしましょうと声かける、という流れ。

制度知識と産業歴史の専門家として違和感がないか結果のチェック、制度的解釈、共著者の幅広いネットワークを駆使した当時の企業代表へのインタビューを加えてもらって、データハンドリングと分析は自分が行い、無事1本になりました。

当初はDIDやる予定だったので、爆速整備中のDIDと古き良き構造変化検知周りの時系列分析のサーベイとその応用の実装経験(誘導系分析)ができてよかったです。また、産業歴史データ発掘と(コード公開前提の)前処理だけで(経済ドメインではないとはいえ)書き方次第でトップジャーナル載せれる貢献になるんやで、と知れたのはよい発見でした。WPの激長アペンディクスにいれて誰も読まないよりは、ジャーナルに載せた方が人類のためと学びました。

 

ohtanilson.hatenablog.com

 

この辺が当時自分がやってた前処理Tipsの備忘録兼心構え。これだけでパブまでいけてヨカッタネ。